さわやか法話29自分は燃えているか

 寒い朝、冷たい本堂で不用意にロウソクに火をともすと、シュッと音をたてて芯が燃えきれてしまう。 まわりのロウソクが溶けないからだ。そんな時はまわりのロウをゆっくり溶かしてから芯に点火すると、 調子よく大きな炎をともし、自らの炎の熱で自分の体のロウを溶かしながら燃え続けてくれる。 人間の生き様も同じだ。まわりのロウも温かく溶かしてやるように、 初めは良き指導者によって導き、点火してもらわねばならないが、 あとは自分の努力で、自分自身の体を燃やすことによって、 周りを暖めてゆかねばならない。どんなに周りが躍起になっても本人が燃えなければどうにもならないのだ。 あなたの生命の炎をいつまでも燃えさせておきたいなら、あなたが燃えなければならないのだ。 こんな詩がある。
 さがしたってないんだ
 自分がぐうっと熱が高まってゆくほかはない
 自分の体を燃やして、あたりを明るくするほかない
 自分の人生は自分の足で歩くよりほかない
 助けはないのだ
 助けられないのだ
 甘えの心をかなぐり捨てて
 立ち上がるよりほかない
 今、あなたは、燃えていますか!
      栄雄