さわやか法話 61 だるまさん |
ダルマさんといえば、起き上がりコボシとか、片目を入れては願い事がかないますよう、開運、幸運を祈る、赤いダルマ人形を思い出す人が多いでしょう。そうそう近頃では、選挙がある度に選挙必勝の守り神様にまでさせられているように、どうしてこんなに人気の高いダルマさまになられたのか、不思議なくらいです。ダルマさまの戸籍調査をしてみますと、震旦初祖菩提達磨大師という、いかめしい名前が本名でして今から去る約1500年以上前、中国は梁の時代、天竺と呼ばれたインドから、はるばる中国へ坐禅そのものを、禅の教え、宗旨を初めてお伝えになったれっきとした大和尚さまなんです。以来、中国から日本へと伝えられ、禅の教えを拠り所とする禅宗では初祖さまとして尊崇し、なくてはならぬ御像を祀ってその偉業を仰いでいるわけです。しかも中国へ来てからも人里を離れ、嵩山少林寺に入ってひたすら壁に向かって坐禅すること九年におよんだ。「面壁九年」として有名であり、ひたすら坐禅に打ち込む偉力みなぎるそのお姿が、今のダルマ人形に象徴されたのでしょう。 |